Power BI Desktopのフィールド パラメータ

プレビュー機能を有効

2022年9月時点で、「フィールドパラメータ」機能はまだ正式リリースでなく、プレビュー版という扱いになっています。

point
  • リリース:2022年5月
  • 機能概要:メジャーまたはディメンションを動的に変更
  • 事前準備:[ファイル]→[オプションと設定]→[オプション]→「プレビュー機能] のメニューで[フィールド パラメーター] にチェックを入れる。(Microsoftのサイトから)

「Power BI Desktop」では、プレビュー機能はインタフェース上に表示されません。
使えるように「ON」にした後で、グラフ作成に使用します。

プレビュー機能の設定で有効にする
プレビュー機能の設定で有効にする(チェックボックスにチェックを入れる)

データを用意

「フィールド パラメータ」に使うデータとして、Microsoftが提供している「AdventureWorks Sales.xlsx」を選びました。

GitHub - microsoft/powerbi-desktop-samples: Power BI Desktop sample files for the monthly release. Here you can find the PBIX files used in the monthly release videos.
Power BI Desktop sample files for the monthly release. Here you can find the PBIX files used in the monthly release vide...

使いやすいように加工します。
Sales_dataテーブル」(シート)と「Product_dataテーブル」(シート)を使い、製品カテゴリやサブカテゴリごとの集計値を、「フィールド パラメータ」を使って切り替えられるようにします。

「Sales_data」(シート
「Sales_data」(シート)
「Product_data」(シート)

「Sales_data」(シート)には売上数値は記載されていますが、製品名などが載っていないので、「Product_data」(シート)とマージさせて、「カテゴリ」「サブカテゴリ」「プロダクト名」「セールス(売上)」などを含むテーブルにしました。

  • Sales Amount:売上 #ここまで「Sales_data」(シート)
  • Product_data.Category:大分類/カテゴリ #ここから「Product_data」(シート)
  • Product_data.subcategory:中分類/サブカテゴリ
  • Product_data.Product:製品名/プロダクト名

上記が主に使うフィールドです。

「カテゴリ」「サブカテゴリ」「プロダクト名」「セールス(売上)」などを含むデータを用意
「カテゴリ」「サブカテゴリ」「プロダクト名」「セールス(売上)」などを含むデータを用意
point

データ(クエリ)のマージ
「Power Query エディター」上で、「ホーム」→「クエリーのマージ」を選び、「照合列」として「ProductKey」を選びます。

「クエリーのマージ」を選び、「照合列」として「ProductKey」を選ぶ
「クエリーのマージ」を選び、「照合列」として「ProductKey」を選ぶ

マージしたテーブルを右上のアイコンをクリックして展開
マージしたテーブルを右上のアイコンをクリックして展開

マージされた「Product_data」と記載のある項目名の右側のアイコンをクリックし、展開する(表示する)列を選びます。

展開する(表示する)列を選ぶ

この囲みの前の画像のように、「セールス(売上)」に「カテゴリ」「サブカテゴリ」「プロダクト名」などの列が加わったテーブルが作成できます。

2つのテーブルをマージした状態
2つのテーブルをマージした状態

グラフを作成

棒グラフを作成します。
「Power Query エディター」から「Power BI Desktop」本体の画面に戻り、「モデリング」→「新しいパラメーター」→「フィールド」を選びます。
切り替えに使う「カテゴリ」「サブカテゴリ」「プロダクト名」相当のフィールドを右から左の「フィールドの追加と並べ替え」エリアにドラッグします。
「パラメーター」フィールドとその「スライサー」(フィールドを切り替えるチェックボックス)が生成されます。
この「パラメーター」フィールドと「スライサー」を使います。

「カテゴリ」「サブカテゴリ」「プロダクト名」相当のフィールドを右から左にドラッグ
スライサーを生成
スライサーが生成される

可視化」パネル上で

  • ビジュアルに「集合横グラフ」
  • Y軸に「パラメーター」フィールド
  • X軸に「Sales Amount」(売上フィールド)

と設定します。
棒グラフが描かれます。

「可視化」パネル上でグラフ作成条件を設定
「視覚化」パネル上でグラフ作成条件を設定

パラメーター用の「スライサー」(グラフ右下側)のチェックを変更することでグラフが切り替わります。

「Product_data.Category」
「Product_data.subcategory」
「Product_data.Product」

左上が「Product_data.Category」(大分類)、その隣が「Product_data.subcategory」(中分類/サブカテゴリ)、左下が「Product_data.Product」(製品名)ごとの売上合計値のグラフです。

フィールド パラメータを使わない

「フィールド パラメータ」を使わないで同様のグラフを作成する手順の例です。
「Power Query エディター」で「ピボット」系の機能を使い、「Product_data.Category」「Product_data.subcategory」「Product_data.Product」の値(今回の場合文字列)を1つの列にまとめます(後述)。

ピボット」系の機能を使い1つの列にまとめ
ピボット」系の機能を使い1つの列にまとめる

「スライサー」を作成します。
ビジュアルに「スライサー」を選び「Power BI Desktop」本体の画面で、上記画面の「type」フィールドを配置します。

「スライサー」が作成できる
左側の「スライサー」が作成できる

ビジュアルに「集合横棒グラフ」を選び、Y軸、X軸のフィールドを設定(下記画面)すれば、「フィールド パラメータ」を使用したグラフと同じものが作成できます。

Y軸、X軸のフィールドを設定
Y軸、X軸のフィールドを設定
「Product_data.Category」
「Product_data.subcategory」
「Product_data.Product」

先ほど(青色のグラフ)と同様に、「Product_data.Category」(大分類)、「Product_data.subcategory」(中分類/サブカテゴリ)、「Product_data.Product」(製品名)ごとの売上合計値のグラフです。

ポイント

ピボット
「Power Query エディター」の画面でカテゴリ、サブカテゴリ、プロダクト名の列を選択します。
変換」→「列のピボット解除」を実行します。

ピボット解除する列を選択
ピボット解除する列を選択
ピボット解除後
ピボット解除後

選択した列をの値(今回の場合文字列)を1つの列に統合します。
その列の左に、元のどの列からの値かがわかる情報が入る列が生成されます。

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